2020-02-16 / 最終更新日時 : 2021-09-23 daisuke oku 実例紹介 浜寺公園交通遊園 駅舎竣工 大阪堺市の海側に浜寺公園という大きな公園があります。公園内には子供達が色々な乗り物に乗れる交通遊園があり、お休みの日には子供や家族連れの人達で賑わいます。その年の台風で駅舎が倒壊し再建することになり、とあるご縁で駅舎の設計を私が担当させていただくことになりました。2018年秋の話です。仕事というのは不思議なもので、ヒマな時はヒマが重なり、忙しい時には、いくつも仕事が重なります。その時も案件が重なり、納期もほぼ同じ。綱渡りのように仕事を進めて行ったことが記憶に残っています。仕事ってそういうものです(笑)さてこの案件、計画スタートから設計を終わらせるまでに、短い期間しかありませんでした。仕事ってこういうもんです(笑)公園は府が管理する資産であり、予算、工法、汽車サイズ、出口の位置、仕様、色、デザインetc…様々な制約があります。もっと細かなディテールをこうしたい。色はこれが良い。構造をこうしたい。デザインをすれば、自然とどんどん要望が出てきますが、中々思うように希望は通らず。。。紆余曲折、色々と大変でしたが、無事設計を完了することができました。後が建物が完成するのを待つばかり。。。。なのですが。その間、駅舎がないので当然、こども機関車はお休み。設計した者としては、いつ完成するのか、まだ完成しないのか、と首を長くし待っていました。本人の気持ちなど、公園全体の工事固定にはどこ吹く風です。実際に建物が竣工したのが、昨年2019年の10月頃と、設計完了から約1年も掛かりました。それほど公園内の修繕など、公園事務所は大変だったようです。で、やっとのことで完成しましたが、今度は私が、時間を作れず見にいくことが出来ない。。。年末になって、ようやく時間を取ることができ、完成した姿を見に行くことができました。前段で書いたように、様々な制約の多い中での設計でした。もっと、こうしたかった、ああしたかったと、出てくる思いもありますが、それでもやはり設計した建物の完成を見るのは、素直に嬉しい気持ちで一杯になります。駅舎はすでに利用が始まっています。見学の時、子供が汽車に乗って、楽しそうにしている姿を見ることができました。利用者から笑顔を産む、お手伝いが少しはできたのかな?この建物が、これからの長い時間の中で、子供達とその家族の笑顔が産まれる場所、楽しい思い出の場所になってくれることを願いながら、完成した姿を写真に納めてきました。 設計士・デザイナーの仕事に対する欲求・達成感というものがあります。その内容は、人によって様々ですが、大きな項目としては、私は3つあると考えています。 一つめは、自分が設計・デザインしたものが完成・世に出ていくこと。二つめは、完成した物を見て・使い始めて、利用する人・住む人・使う人に喜んでもらえること。三つめは、完成した物が長い年月利用されて、人に愛される物になること。 自分の力で、満たせる欲求・達成感というのは、一つめの項目だけです。三つめに関しては、長い時間を経てから、成就できるものです。だから、この仕事は完成して終わりではなく、完成した物と私達は一生の付き合いになります。この三つの欲求・達成感を満たせることを目指して、日々精進していくのだと思います。こども機関車の駅舎は、これからどんな使われ方をするのか?家族の思い出になってくれるのか?見守っていけたらと思います。 XCopy コメントを残す コメントをキャンセルメールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目ですコメント ※ 名前 メール サイト