コロナ禍下での授業。

 母校での非常勤講師の話です。
 コロナ禍の中、前期授業が終了しました。
あまり更新できていないブログ(汗)に、度々講師のことを記事にするのは、
1年の中でちょうど仕事の節目になるからでしょうか。。。
昨年、今期とコロナの影響を受けて、授業は休校になったり、オンライン授業がスタートしたりと、
めまぐるしい学期を過ごしてきました。
 日本の学校はIT化が遅れていると言われていますが、コロナ禍により、急激に学校内でIT化が進んだと感じています。学校設備はもちろん、先生方も生徒さんもタブレットやPCを持ち歩いている姿が日常になりました。コロナ禍による、唯一の良かったことでは無いでしょうか。
 僕は常々、「黒板しかない教室での授業」(以下、旧教室)の学習効率の低さということを感じています。(大学であれば、最低限の設備が整っていますが、専門学校では未だ設備は脆弱です。)
日本は豊かなになり、専門知識を学ぶ上での教材・資料などは昔に比べれば非常に充実しています。
しかし、旧教室での授業では、その教科書や関係資料を生徒と画面共有すらできないまま授業を行うしかありません。教科書に不足資料はせいぜい、A3サイズに出力した紙の資料を見てもらうくらい。
どうしても画面共有したい場合は、毎回、プロジェクターを教室に持ち込むしかありません。
(毎授業、セッティングしているような非効率で時間を大幅にロスしてしまいます。)
これではIT機器が存在しない時代の昭和時代の学校授業から何ら進化していません。むしろ学ぶための教材が充実していながら、それを利用できない学習状況は、むしろ退化しているとも感じてしまいます。
 コロナ禍によって、オンライン授業が採用されたことで、奇しくも僕が願っていた環境が、実現に近づいたのです。
 とはいえ、IT化できたとはいえzoomによるオンライン授業です。社会人が学ぶ夜間学部の生徒にとっては時間的制約がある中、登校せずに授業を受けることができるのは大きなメリットですが、20歳前後の学生にとっての「自宅学習」は、色々な誘惑がある中での授業となり、けっして学習に適した環境とはなってません。受講する生徒に合わせて、形式を変えていくことも重要だと感じました。
 また、学校では、オンライン授業では学習することができない「実習授業」も存在します。
実習授業の場合は、何もかもがオンラインという訳にはいかず、自宅で作業が可能なことから課題として取り組んでもらい、授業再開してから、生徒と対面形式で課題制作を進めてもらいました。
 意外なことで面食らったのは、対面授業用に準備していた教材をオンライン授業用に編集し直す作業は、非常に時間がかかるということです。対面で課題説明を行うことを、オンラインに切り替える場合は、改めて進行を考え、カンペを用意してetc…

 今期は、学校も昨年からのノウハウを活かし、感染対策とオンライン授業の活用で準備万端。。。
と思いきや授業開始2週目から緊急事態宣言により休校となり、出鼻をくじかれてのスタート。
それでも講義科目はオンラン授業、実習科目では自宅学習が可能なものから始めてもらうなど、様々な試行錯誤でなんとか対面授業再開まで授業を遅らせずに進めることができました。
 対面授業が再開されてからは、籠もりがちだった環境での学習から、気持ちを切り替えてもらうために、できるだけ生徒を多く話す機会を作る、生徒同士が話し合う機会を設けるなどの工夫を取り入れてみました。時間の無い中での課題に、生徒もしっかり取り組んでもらったと思います。学生生活残り半年間、卒制に頑張って欲しいと思います。

 専門課程に進んでからの学びの機会、同級生と過ごす機会というのは、社会に出てからの非常に大きな財産になります。
そこでより真剣に取り組めるかで、財産の量は大きく変わりると思います。
 これ以上、学生がその財産を作る「貴重な機会」を、コロナを理由に奪って欲しくないと思います。

対面授業が再開してから実習で生徒のプランをチェックしていく際、芯は太くて軸が細いこのペンが大活躍。
延べ100プランくらいチェックしたかな。。。授業が終わった日の夜は、いつも放心状態でした(笑)
実務、建築士試験共に死ぬほどエスキスしたことは、自分の力になっているんだと改めて実感した授業でした。

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